業務service

service

目標

  • 1. 被害者や被災者の人権を守る
  • 2. 犯罪や事故の状況を明らかにする
  • 3. 突然の死や看取られなかった死の原因を明らかにする

検査

■CT検査

CT検査は、全身の内部所見を短時間で得られるので、大きな骨折がないか、新型コロナウイルス肺炎のような重症感染症がないか、といったスクリーニングに役立ちます。当領域では原則として全ての症例にCT検査を実施しています。


■解剖

犯罪を見逃さず死因を正確に診断するために、体表面と諸臓器の肉眼所見を丁寧に記録していきます。礼意を失せず一期一会の精神で日々ご遺体と向き合っています。血液や尿などの検査用検体も解剖中に採取します。


■アルコール検査
チャート

アルコールが直接死因となる急性中毒はもちろんのこと、飲酒による暴力行為、酩酊状態での事故など、アルコールは間接的にも死亡に関与します。専有のガスクロマトグラフィーを用い、血液や尿中のアルコール濃度を短時間で定量します。


■生化学検査

血液や尿に含まれるタンパク質や電解質濃度を調べます。糖尿病や炎症の診断には、組織所見に加えて生化学検査が不可欠です。ただし、死後変化によって影響を受ける項目も多く、異常値については専門的な判断が必要になります。


■微生物検査
真菌

感染症が疑われる症例の検体をプレパラートに塗り、顕微鏡下で細菌や真菌を観察します。必要に応じて培養し、起因菌を探ります。


■病理組織学検査
組織写真

解剖時に採取した組織片からプレパラート標本を作製し、顕微鏡下で観察します。様々な染色法を駆使することで、肉眼では見えない小さな変化が見えてくるので、病気や怪我の状態をより正確に診断できます。


■薬毒物検査
アイベックス

覚醒剤や脱法ドラッグなどの薬毒物中毒死も肉眼所見だけでは診断できません。膨大な薬毒物データベースを有する本学救命救急科と連携して、質量分析機を用いた薬毒物スクリーニングを実施しています。


■DNA検査

身元が不明のご遺体も多数受け入れており、身元を明らかにし、家族のもとへ帰すことも重要な仕事です。腐敗や焼損などの難しい状態でも骨や歯からDNAを抽出し、検査を積極的に行っています。


■歯科検査

親族がおらずDNA照会が難しい症例では、歯科所見も身元照会の重要な手段です。当教室では歯科研修を受けたスタッフが歯牙のレントゲン写真撮影を行い、歯科医師へのコンサルトを行っています。

実績

当教室は主に神奈川県西部で発生した事案の解剖と検案を担当し、第三管区海上保安部および静岡県内で発生した事案も一部受け入れています。DNA検査などの物体検査は全国の警察から受託しています。

<最近5年間の検査件数>
司法解剖 権限解剖 承諾解剖 検案 物体検査
2023年 195 19 3 50 4
2022年 190 21 4 77 1
2021年 144 12 3 37 6
2020年 176 24 6 61 5
2019年 210 38 32 45 15