活動紹介

東海大学医学部基盤診療学系法医学領域では、教育・研究・業務を3本の柱に活動を展開しています。

教育について

法医学は、外界からの侵襲と死因との関連性を追及することを基本的立場として発展してきた分野です。また、内因性疾患による突然死も、死因の検討の必要性から主な対象となっています。学部教育においては、損傷の観察記述・突然死の病理学的診断・中毒物質の検出・個人識別などの様々な法医学的手法を用いて、生体および遺体から多くの情報を所見として得られるように指導してゆくことが、大切と考えています。次に、医療関連法規の教育が重要で、医師法やヒトの死に関して理解を深めてもらえるように努力しています。教育においては、基本的事項の正確な理解と医師としての的確な判断力の養成を目標とし、大学院教育にも積極的に取り組んでいます。

研究について

主な研究課題を以下に示します。その他、CTによる死後画像の剖検への導入など、様々な課題に取り組んでいます。

  • 原因不明の突然死に対する病態解明:原因不明の突然死は乳幼児と青年男性に好発します。また、高齢者を中心に、入浴中の急死も多発しています。窒息など外因性の要素を排除した上で、内因的な疾病が関与している症例が多く認められます。これらの突然死例に対し、剖検と組織検査から診断を進めてゆき、疫学的なデータをまとめてゆきます。さらに、肉眼的には確認しづらく機能的異常を主体とするQT延長症等の疾患の原因が同定されつつあり、臨床生化学検査や遺伝子解析を実施し、原因不明とされてきた突然死の病的背景について検討を加えています。
  • ヒトDNA多型現象の解析:ヒトに認められるDNA多型現象の解析から、親子鑑定など血縁関係の証明が行われています。当領域でも、毎年多数のDNA検査を実施していますが、検査方法および数理統計的解析法の改良を試みています。その他、身体特徴の個人差について、DNA多型との関連性を検討しています。例えば、骨格形成と血清タンパクα2-HS glycoprotein (AHSG)との関連性や、糖鎖に起因する癌抗原と血液型の関係などです。
  • 交通事故損傷分析:交通事故に伴う死亡においては、刑事上の過失、民事上の損害賠償といった観点から問題となる症例は多くあります。特に、事故後時間経過を経て合併症で死亡した例や運転中の病死例などにつき、病態解明に勤めるとともに、賠償科学的な観点から考察を加えています。
  • 入浴中の急死の研究:日本人は風呂好きな民族であり、浴槽内にお湯を入れ、肩まで浸かる習慣がある。欧米では入浴温度は40℃以下であるが、日本では冬季は43℃、夏季は41℃ぐらいと高温浴を好む傾向がある。本邦では、入浴に伴う死亡事故が多いことが知られており、特に冬季に高齢者が浴槽内で溺没して発見されている。その原因は、熱中症、心臓疾患、脳血管疾患、溺水など色々な仮説があるが、未だ議論がされている。我々の教室では、病理組織学的に高齢者の入浴中の急死の原因を探るために研究を重ねている。

業務について

法医学の主な業務は、医師法にいう異状死の死因の解明にあります。そして、その手段としての法医解剖は、犯罪に関連した疑いのある遺体を対象とする司法解剖と、犯罪性とは関係のない遺体を扱う承諾解剖に分けられます。具体的には、突然死、交通事故、自殺、犯罪死、身元不明、労働災害、医療関連死などが含まれます。神奈川県西部を担当しており、年間実施件数は下記のとおりです。東海大学医学部付属病院内において、臨床法医科として臨床科にも属しています。

最近5年間の件数
司法解剖 権限解剖 その他検案等
2017年 148 30 41
2016年 204 28 34
2015年 203 55 38
2014年 246 39 47
2013年 218 53 97
2012年 154 141
2011年 144 127

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